福島原子力事故調査報告書

東京電力株式会社 福島原子力事故調査報告書

https://www.tepco.co.jp/cc/press/betu12_j/images/120620j0303.pdf

 

昨年3月11日に発生した福島第一・第二原子力発電所の最終事故調査報告書が
東電より6月20日に公開された。
これは政府事故調査委員会から発表される物とは異なり、東電と外部委員で構成
されたものが中心となっている。
事故調査の内容はかなり詳細な物で、事故現場の写真・データ・起因・経過・対処
と多岐に渡り詳細に明記されており、事故発生時~事故対応後までの重大事故に
対する想定の甘さや設計の問題・政府及び関係者の安全意識の欠如が事故事象の拡大に
繋がった事にも触れおり、責任転嫁もあったと見受けられる記述もある。

今回の事故対応に関して、このように発電所から見て指揮命令系統に混乱が生じ
たこと、結果として現場の実態を把握していない場所で、把握していない者が判断する
ような実戦的でない対応態勢になったことは問題である。このような事態を招いたのは、
当社であり、政府であり、国であるものと考える。
即ち、挙げられる課題は、事故対応において、どのような事に対して、誰(政府・国、
自治体、事業者)が責任を持ち、どのような実効ある対応を実施するのか、明確にして
おく必要がある。

いくつかの項では今回の事故は想定外事象であり対応策がその場凌ぎで、誰が何をどの
ように実行するか等その多くが未確定であったし、その中で所要時間等全て卓上論だけが
先行していたとされる。
これは各自治体でも地震・津波の対処に追われるばかり、同時多発的に発生したこの
事故対処に訓練が殆ど生かされなかった事が裏付けられる内容も含む。

全体的な記述の中で、問題提起と捉えるか責任転嫁と捉えるかはこれを読む者次第とな
る部分も多くあるが、自己責任を認める内容が大半を占めている。
今後政府事故調査委員会の最終報告書との照らし合わせによって、差違が認められる
部分も当然出てくるであろう事から、この二つの最終報告で事故実態が真意に解明され
るのではないだろうか。

事故は依然として終結していない為、今後東電・政府・国内外民間企業問わず多くの有
識者によって事故の本当の意味の終結を我々日本国民は日々願っています。

記者 Hideyuki takeno

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